記帳代行の選び方
記帳代行サービスの導入を検討されている方は、数ある提供元の中で「どこに依頼するか」で迷われていることでしょう。
結論からお伝えすると、「税理士に丸投げしてしまう」のが、費用対効果と安心感の両面で最も効率的です。ただし、どの税理士でも良いわけではありません。失敗しないためにチェックすべき3つのポイントを解説します。
チェックポイント① 料金体系は「時間制」か「仕訳数単価制」か
依頼先を選ぶ際は、貴社の仕訳数が多いかどうかという状況に合わせて料金体系を選択する必要があります。
・単価制(仕訳数ごと):個人事業主や中小企業のように、仕訳数の予測が比較的容易な場合は、単価制の方が費用が安く済み、納期設定も明瞭なため安心です。
・時間制:突発的な処理が多い、あるいは事業規模が大きい場合は、時間制が適用されることもあります。
【チェック項目】 貴社の状況にとって、単価制の料金が最も安く収まるか。
チェックポイント② どこまで「丸投げ」が可能か
「丸投げ」を希望して依頼したにもかかわらず、実際には自社で会計伝票や現金出納帳を作成する必要がある、という業者も存在します。
オプションを組み合わせることで依頼したい業務すべてをサポートしてくれるのか、あるいは、すべての業務がコミコミで完全に「丸投げ」できる体制なのかは、依頼先によって大きく異なります。どこまで自社の手間をゼロにできるか、要チェックです。
【チェック項目】 経理伝票の作成など、自社の負担となる作業が残らないか。
チェックポイント③ ITに強く、多様な会計ソフトに対応できるか
「今導入している会計ソフトは対応範囲外です」という理由で、せっかくの時間と検討がムダになってしまうケースも少なくありません。
特にクラウド会計ソフト(MF、弥生、freeeなど)は、ソフトごとに連携機能や特性が異なります。多様な会計ソフトやクラウドシステムにどこまで柔軟に対応してくれるかは、選定において十分気をつけましょう。
【チェック項目】 貴社が現在または将来的に使用を検討している会計ソフトに対応可能か。
記帳代行サービスの料金相場
記帳代行の費用は、主に以下の2つの体系に分かれます。自社の取引量に合わせて、どちらが有利か検討しましょう。
1. 時間制(月々の稼働時間で決まる)
費用の目安:月額5万円〜10万円(月30時間稼働程度が多い)
時間単価:1時間あたり2,000円〜3,000円程度となるケースが多いです。
特徴:依頼する業務内容や工数が流動的・複雑な場合に採用されやすい体系です。
2. 単価制(仕訳数で決まる)
費用の目安:100仕訳あたり5,000円〜10,000円程度で設定されていることが多いです。
仕訳数の定義:「領収書の枚数+預金通帳の行数」などの合計数で計算されます。
注意点:単価制の業者でも、上記費用とは別に月額の基本料金が発生する場合があります。
契約前の重要な確認事項
オプション料金や月額基本料金の詳細は、Webサイトで公開されていないケースも多々あります。
契約に進む前に、必ず詳細な見積もりを提示してもらい、費用総額がいくらになるのか明確にしておきましょう。
注意するべきポイント
これまで良い選び方や料金の相場について述べてきましたが、ここからは、後悔しないために避けるべき業者と、契約前にチェックすべきリスクについて解説します。
1、申告業務を担う業者は「運営元」を必ず確認する
記帳代行自体は無資格でも提供可能ですが、決算申告などの申告業務に発展する際は注意が必要です。
税理士法上のリスク: 税理士資格のない者が作成した申告書類は、税理士法上違法となります。
チェックポイント: 運営元が税理士または税理士法人であるか、あるいはそれらの関係会社であるかを必ずチェックしてください。外部の税理士と提携している民間業者もありますが、費用が割高になる可能性があるため、見積もりのタイミングで確認しましょう。
2、見積もりの際に「隠れた追加料金」がないか確認する
Webサイトで料金を安く提示していても、契約段階で月額基本料金やオプション料金が追加され、結局は高額になってしまうケースが多発しています。
安全な依頼方法: 中途半端に自分で関わろうとせず、「丸投げプラン」の形で総額をお任せできることをサイト上で訴求している業者に依頼する方が安全です。余計な作業が発生しないか、総額でいくらになるのかを事前に明確にしましょう。
3,「守秘義務」について必ず契約内容を確認する
記帳業務は、会社の重要な経営情報を外部に開示することになります。情報漏洩は後々大きなトラブルにつながりかねません。
法律上の違い: 税理士には法律で守秘義務が定められていますが、民間の記帳代行業者には法律上の定めがありません。
リスク対策: 後々トラブルとならないためにも、契約書や利用規約に**「守秘義務」に関する条項が明記されているか**を、契約段階で十分に確認しましょう。
これらのリスクを把握した上で依頼先を選ぶことが、重要です。
記帳代行に強い税理士の選び方
以上が、記帳代行サービスをご検討いただく際に注意していただきたいポイントと選び方でした。
会社の経営上重要なデータを外部に委託するわけですから、「安ければ良い」というものではありません。
失敗しない依頼先の選び方
1、信頼性と安全性:
・きちんとした税理士、または税理士が運営する法人に依頼することが最も安全です。
・守秘義務や情報管理体制について、Webサイト上で確認できない場合は、お問い合わせの際にご確認ください。
2、ITへの対応力:
・会計ソフトが多種多様に増えている今、対応できるソフトが多い税理士を選ぶことを強くお勧めします。
・IT知識が豊富な税理士は、積極的に対応可能な会計ソフトを増やしている傾向にあります。これは、「時代の変化に対応できるパートナーか」を見極める一つの指標として参考にしてください。
最後に:信頼できるパートナーを見つける
既に他の税理士とお付き合いがあるお客様も多いと思いますが、中には「満足なサービスが受けられない」「コミュニケーションが不足している」といったお悩みを抱えている方もいらっしゃいます。
最終的に契約を考える上で、「この人(事務所)と一緒にビジネスを進めていきたい!」と思える人間的な繋がりは非常に重要です。
この機会に、貴社の経営を本当に安定させ、共に成長できる理想のビジネスパートナーを探してみてはいかがでしょうか。
記帳代行サービスについてもっと詳しく知りたい方はこちらから
経理代行サービスは、貴社が抱える様々なお悩みを解決へと導きます。
貴社の現状やご要望に合わせて最適なサポート内容をご提案いたしますので、ご安心ください。ご相談内容については、守秘義務を厳守し、厳重に管理いたします。
記帳代行サービスについて、さらに詳しい情報をご希望の方は、下記のページをご覧ください。